sportsnabi-ハムストリングのテーピング・巻き方

ハムストリングのテーピング講座。テーピング方法・巻き方の手順のまとめ。

◆ハムストリングのテーピング・巻き方【目次】

◆ハムストリングとは太もも後面にある筋肉群

★1.ハムストリングの構造
★2.代表的なトレーニング種目レッグカール
★3.予防も兼ねてハムストリングの強化を

◆ハムストリングの構造

 ハムストリングとは、太もも後面にある筋肉群の総称。
 一般的にはハムやハムストリングスとも呼ばれている。
 代表的な筋肉としては、大腿二頭筋と呼ばれる2つの筋頭をもつ筋肉組織(この筋肉名称は耳にしたことがある方も多いはず)
 この大腿二頭筋は2つの筋頭がひとつの筋腱組織へと移行し骨に付着している。
 この他、半膜様筋、半腱様筋があり、この3つの筋群を総称してハムストリングと呼ばれている。

※ハムストリングは3つの筋肉の総称である
①大腿二頭筋(だいたいにとうきん)
②半膜様筋(はんまくようきん)
③半腱様筋(はんけんようきん)

◆代表的なトレーニング種目レッグカール

 次項以降でも解説しているが大腿部前面の筋肉と比較すると、後面の筋力が不足しているアスリートが多く、このバランスの違いが肉離れを発症する要因ともなっている。
 その為、大腿部前面に配置する大腿四頭筋のトレーニングはもちろん前面の筋郡以上にハムストリングのトレーニングはスポーツアスリートにとって重要なトレーニング種目部位となる。
 尚、ハムストリングの代表的なトレーニング種目としてはレッグカールなどが有名。

◆予防も兼ねてハムストリングの強化を

 レッグカールは太もも裏面の筋肉を収縮と伸展を繰り返す基本的なメニューではある。
 しかし肉離れなどを発症しやすい部位でもあることから怪我の予防もかねてハムストリングは鍛えておくべき筋肉部位の中でも優先順位の高い部位であると言える。
 尚、テーピング手技ではハムストリング全体をテーピングで覆うため、かなりの量のテーピングを消費する。
 その為、確実にホールド感を高めておく必要があるゲームなどのケース以外では簡易的なサポーターやキネシオテープなどによる簡易的保護でまかなうことも考慮に入れておくことが重要である。

◆テーピングの手順表

★1.キネシオテーピングとホワイトテープ
★2.ハムストリングのテーピングの巻き方・手順一覧表
★3.ハムストリングのテーピング難易度について

◆キネシオテーピングとホワイトテープ

 ハムストリングのテーピングの巻き型の手順を以下にまとめておく。
 ハムストリングに施術されるテーピングには、一般的なホワイトテープを使用するテーピングよりも筋肉に沿って貼りダメージを受けている筋肉や関節の補助的な役割をするキネシオテーピングによるテーピングの方が広く普及しているかもしれない。
 また、太ももはテーピング対象となる皮膚の面積が広い為、大量のテーピングが消費されるため、日常的には密着性の高いサポーターの使用で対応するケースも多い。
 しかし、やはり最もホールド感が強くテーピング効果が高いのは経験上ホワイトテーピングによるテーピング施術であると個人的には感じている。
 その為、ここでは経済的であるとは言えないが難易度がそれほど高くないホワイトテープを使用したハムストリングのテーピングの手順について以下にまとめる。

ハムストリングのテーピングの巻き方・手順
アンカー
太もも側面に50mmテープを20cm程貼る。
サポートテープ
内側面のアンカー中部から左側面のアンカー下部に向けてサポートテープを貼る。逆も同様に行い、太もも後ろ面中央部でテープをクロスさせる。
クロステープ
クロスしたテープから2.5mm上に同様のサポートテープを繰り返し重ねて貼っていく。一端がアンカー上部に達するまで継続。
アンカー
再度アンカーテープを貼りサポートテープの両端のばらつきを止める。
サポートテープ
両脇のアンカー下部からアンカー下部へ水平にテープを貼る。(必ず内側から外側へ)
サポートテープ
水平のテープから2.5mm上に同様のサポートテープを繰り返し重ねて貼っていく。アンカー上部に達するまで継続。
アンカー
水平に貼ったサポートテープの両端のばらつきをアンカーで止める。

 以上がハムストリングのテーピング手順のおおまかな流れである。
  テーピングを終えたら弾性包帯、もしくはサポーターをテーピングを行ったハムストリングスの上からかぶされば処置は終了である。

◆ハムストリングのテーピング難易度について

 ハムストリングのテーピング手技は足関節や足の甲などの障害に関するテーピング手技と比較すると対象となる範囲が大きいため難易度はそれほど高くない。
 スポーツトレーナーを目指しているアスリートは肉離れなどの障害を発症する可能性を考え早い段階でマスターしておきたい手技のひとつと言える。

◆ハムストリングの障害を発症しやすいスポーツ競技一覧

★1.大きな筋出力が瞬発的に求められる競技
★2.ハムストリングの怪我を発症しやすいスポーツ競技一覧
★3.太もも裏面のストレッチングの重要性

◆大きな筋出力が瞬発的に求められる競技

 ハムストリング(太ももの裏側)の怪我の代表とも言える肉離れを発症しやすいスポーツ競技についてここでは確認しておこう。
 肉離れは大きな筋出力が瞬発的に求められる要素を含んでいるスポーツ競技に多く発症する傾向がある。
 最もわかりやすい事例で言えばダッシュ動作やジャンプ動作、また激しいコンタクトを伴うスポーツなどが該当する。
 ハムストリングの怪我を特に発症しやすい競技は以下のようなスポーツ競技が代表にあげられる。

ハムストリングの怪我を発症しやすいスポーツ競技一覧
ラグビー・アメリカンフットボール・相撲
野球
柔道
サッカー
テニス
バスケットボール
バドミントン
陸上(短距離・長距離)

 上記一覧表を見てもらった中で注視したい特徴・及び傾向としては全体的に幅広いスポーツ競技が入っている点ではないだろうか?
 また、球技スポーツなどにも多く発症する傾向が見てとれる。

◆太もも裏面のストレッチングの重要性

 肉離れ発症の原因は瞬発力を発揮するシーンに代表されるが、その根本にある要因は柔軟性の低下が大きな要因となっている。
 ハムストリングスは肉離れを発症しやすい部位でもある為、入念なストレッチングと瞬発力を必要とする動作を行う場合は一定の筋温の保持が不可欠となる。
 特に日本ではストレッチングに関する取り組みが世界的に見ても圧倒的に遅れており、肩甲骨の正しい使い方、股関節まわりの正しい可動がなされていないアスリートが非常に多くなっている点も問題である。
 また冬の体育館で寒いからとじっくりとストレッチングを行い筋膜を伸ばし筋肉がキンキンに冷えた状態で「さぁ練習を開始しよう!」といった状況が多く見られるのも筋温やウォーミングアップのストレッチングのメカニズムを理解していない証拠。
 今後はスキル練習だけでなく関節の可動範囲やインナーマッスル及びアウターマッスルのストレッチングの仕組みに熟知した指導者の成長が不可欠となってくるだろう。

◆ハムストリングは本当に怪我の多い場所か?

★1.ハムストリングスVS大腿四頭筋
★2.日本人は筋力が弱い?
★3.ハムストリングスの怪我は20代・30代・40代に集中する

◆ハムストリングスVS大腿四頭筋

 ハムストリングはスポーツアスリートにとって怪我をしやすい部位であるのは確かに事実である。
 ハムストリングの構造でも解説しているとおり、この太ももの裏側面にあたる場所は前面部位にある大腿四頭筋群よりも筋力が弱い人が多い。
 これはハムストリングスそのものが弱いと言うよりも日本人の場合は前面の大腿四頭筋群の筋力は比較的強靭なアスリートが多く比較するとバランス的に劣るという意味である。

※筋肉・筋出力の傾向
大腿四頭筋群 > ハムストリングス

◆日本人は筋力が弱い?

 日本人は欧米人などと比べるとひ弱なイメージがあり筋力が弱いように見えてしまうイメージがあるのは否めない。
 しかし、日本人という民族が筋力が弱い民族であるか?と言えばそうとも限らない。
 事実、純粋に筋力を競い合うパワーリフティングにおいて日本人は毎年のように優秀な成績を収めている。
 全体的にひ弱に感じるイメージが定着しているのはウエイトトレーニングなどを行う習慣の違い、環境の違いなどの問題が関与しており、筋力においては能力的に劣るという事は考えにくい。
 また太ももの筋肉に関しては日本人はやや強い筋力を保持している民族でもある。
 足が太く見えるのは足が短いだけでなく足の筋肉が大きく筋断面積が広いことも関与しているケースも多い。
 但し、太ももの筋肉郡の裏面にあるハムストリングス筋群は、日常生活の範囲で鍛えられる事は少なく、また意識してトレーニングする事も少ない。
 トレーニングジムにいけばレッグカール用のマシンなどがあるがマシンで対応できるトレーニングメニューが少ない点もバランスを欠きやすくなるひとつの要因と考えて良いかもしれない。

◆ハムストリングスの怪我は20代・30代・40代に集中する

 捻挫や突き指などの突発的な怪我はどの年代にも発症しやすい怪我である。
 対してハムストリングスの怪我に関して言えば20代~40代に怪我が集中する傾向をもつことがひとつの特徴である。
 では何故この20代・30代・40代にハムストリングスの怪我が集中するのだろうか?
 このハムストリング怪我をする年代の特徴は、一定の筋力を発揮できる年代であることがひとつの要因となっている。
 小学生や中学生の子供がハムストリングの肉離れなどの怪我を発症したという話はなかなか耳にしないだろう。
 また同様に60代以上のシルバー世代の方の場合もなかなか太もも裏面のハムストリングを怪我してしまったという話もほとんど耳にしない。
 スポーツなどで一定の筋力が発揮できる、まさしくアスリートとして成熟した段階で柔軟性の低下や疲労の蓄積などの複数の要因が絡み合って肉離れなどの怪我を発症しているケースが大半なのである。

※大きな筋出力を発揮できる年代にハムストリングスの怪我は多く発症する傾向がある